- 8月 14, 2024
妊娠中に気を付けたい食事
妊娠が確認できると外来で「何か気を付けることはありますか?」と聞かれることがよくあります。
今回は妊娠中に気を付けたい食事についてお話ししたいと思います。
魚介類:魚介類は体に良いものです。しかし魚を極端にたくさん食べたり、偏った食べ方をすることで水銀が取り込まれおなかの赤ちゃんに影響を与える可能性があることが指摘されています。妊娠期間中に食べるお魚の種類と量とのバランスを考えながら食べましょう。
詳しくは「これからママになるあなたへー厚生労働省」https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/100601-1.pdf
をご覧ください。
生卵:妊娠中は免疫力が低下しているため普段食べても問題ない食べ物でも食中毒のリスクが高まります。卵の殻には、サルモネラ菌が付着していることがあり、母体にも危険及ぼす可能性があるため、生卵は控えたほうが無難です。
生肉:生肉には寄生虫であるトキソプラズマが付着している可能性があります。トキソプラズマは全ての哺乳類と鳥類に感染する可能性がある寄生虫で、ネコの尿や糞や、生肉から感染するといわれています。
お肉は十分加熱してから食べるようにしましょう。
ナチュラルチーズ(加熱殺菌していないもの):加熱殺菌されていないチーズは、リステリア食中毒の原因になることもあります。そのほか生ハムやスモークサーモンなど。妊婦中にリステリアに感染すると、胎盤や胎児へ感染し、流産や生まれた赤ちゃんに影響がでることがあります。リステリアに感染したときの症状はさまざまです。悪寒、発熱、筋肉痛などインフルエンザなどの他の感染症と区別が難しい場合や、敗血症、髄膜炎、中枢神経系症状などを引き起こす場合もあります。
コーヒーなどのカフェイン:妊婦さんがカフェインを摂り過ぎることにより、出生児が低体重となる可能性があると言われています。一日当たりのカフェイン摂取量を200 mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)に制限しましょう。
とくに妊娠中はバランスの良い食事を心がけましょう。
しかし、つわりの時期はどうしても食べられるものが限られてしまうことが多いと思います。そんな時は無理せず食べられるものを食べられるだけ食べていただき、つわりが落ち着いたらバランスの良い食事を心がければ大丈夫です。特に妊娠中は貧血になりやすかったり骨や歯を強くするカルシウムが不足しがちです。食事の中で鉄分の多い食材(赤みの魚、大豆、ひじき、レバーなど)、カルシウムの多い食材(小魚、牛乳など)を取り入れましょう。